「不動産売却コラム 」の記事一覧(44件)
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/09/06 16:18
今回はご自宅売却の「知恵」となり、またパートナーとして売却活動をしてもらう不動産会社の選び方についてお話しします。
最初に、結論となる「どんな不動産会社に売却を依頼すればいいのか?」の答えをいってし
まいましょう。
それはズバリ「お客さんを大切にする不動産会社」です。
「どうやってそんな不動産会社を探すのか」については、次回以降ご説明します。
「高く売りたい」「早く売りたい」「気持ちよく売りたい」「いい買主さんに買って欲しい」…自宅を売るとき、売主さんはいろいろな希望を胸に抱いています。
ただし、自宅を売るという事は「買い手」あってのこと。
「市場の状況」にも影響されるため、自分の希望していた通りの結果にならないこともあります。
もちろん、希望通りに売ることが難しそうであれば「売るのをやめる」という選択肢もあるでしょう。しかし「売らなくてはいけない状況」の売主さんもいます。
そのとき、売却活動の1つひとつの工程、また、値下げの計画などについて事前にある程度、きちんとした説明を受けていれば、納得しながら売却を進められます。
売って後悔しないようにするには、事前にしっかりと説明を聞いて、「納得」して話を進めてゆくことが重要なのです。
「味方となり、親身になってしっかり話を聞いてくれる不動産会社」に売却を依頼することができれば、1つひとつのステップも納得しながら進められます。
例えば、売れないから値下げしなければいけないとき、「値下げの根拠」を明確に提示できる不動産会社や、契約内容について事前に細かく説明をしてくれる不動産会社を選んで、納得して後悔しない売却をしてほしいのです。
なぜ、ここまで何回も「後悔して欲しくない」と話をしているのでしょうか。
これには大きな理由があります。
例えば、売主さんが満足いくご売却をできなかったとき。
そのとき売主さんはこう言います。
「こんなに安くなるなら、こんな家を買わなければよかった」
売主さんは売却が自分の希望通りにいかなかったという結果を今の時点で後悔しているのではないのです。
後悔する結果をもたらした「家を買った十数年前の自身の選択」をも否定するのです。
逆に、素晴らしい結果を得た売主さんはこう言います。
「やっぱり、あのときこの家を買っておいて正解だった」
この差は天国と地獄です。
今現在における売却の結果は、売主さんが買った時点の「お客様自身の選択」にも影響を与えます。
「いい家だった」というのか「あんな家を買わなきゃよかった」というのかで、売った家での思い出まで大きく変えてしまうのです。
その為、不動産会社は大きな責任を負います。
「売り方と結果」で、お客様の家の思い出の一部をシロにもクロにも書き換えてしまうことがあるからです。
皆様にも「あの時この家を買っておいてよかった」といってもらいたい。
だからこそ、「味方となりお客様を大切にする不動産会社」に売却を依頼することを強調するのです。
【渋谷区 世田谷区】不動産の売却・買取・査定なら、笹塚・日立不動産
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/09/06 16:13
売却活動開始前に、最後の準備です。
「不動産会社に電話する前に用意しておくもの」
①購入時のパンフレット、契約書等の資料一式
不動産会社に電話すると、物件の事について色々と聞かれます。
落ち着いて返答ができるよう、前もって用意しておきましょう。
②毎月の維持費が分かるもの
管理費や修繕積立金、駐車場代や組合費、町内会費等、実際に住む上で必要となる毎月の維持費を書き出しておきましょう。
③固定資産税、都市計画税の明細
毎年支払う固定資産税と都市計画税の内容が分かる資料を用意しましょう。
④住宅ローンの支払明細
毎月の支払い額と直近の住宅ローンの残債務額がわかるもの。
査定の際にこの残債務額は非常に重要になります。
⑤権利証
権利証は、実際には決済引き渡しまで必要ではありません。
ただし中には紛失されている方もいるため、一応、確認しときましょう。
⑥それまでに集めた情報
チラシやインターネットから集めたデータも、まとめておきましょう。
これらの書類は、権利書以外は1カ所にファイルしておくことをお勧めします。
ファイルは100円ショップで売っているようなもので十分です。そのファイルを「売却の
資料集」とします。
今後売却活動を行っていく中でも、様々な資料が不動産会社から提供されます。
査定書や関係資料、売買契約書、領収書などですが、それらを一括して保管しておけば、後々の管理も楽になります。
⑦銀行に住宅ローンの残債務額を確認しておく
住宅ローンの支払い明細を用意することはお話ししましたが、その資料が半年前や去年のものでは正確な残債務額がわかりません。
このため、住宅ローンを借りた金融機関の窓口に電話して、最新の残債務額を確認することが必要です。
⑧家族と話をして意思統一を図る
「自宅を売って、こんな生活をしたい」という目標や目的をしっかりと家族と話して、意思の統一をしておきましょう。
特にご両親にはしっかりお話ししておきましょう。
実際にこんな話があります。
買って10年以内の自宅を売りに出し、いい買主さんが現れて契約し、契約後に両親に初めて売ったことを話したという方がいました。
ところが、両親はまさかの大反対。
「家をそんなに簡単に替えるものじゃない」と。
もともと買うときに親の援助を受けており、逆らうわけにはいきません。
結論からいえば、この売主さんは「売るといって契約したものが売れなくなった」ため、違約金を払って契約は流れました。
このように、思ってもいない身内の反対でスムーズな売却活動ができなくなる例があります。
特に世代が異なれば、不動産に対する価値観も大きく異なります。
購入する際に援助を受けた場合はなおさらです。
このため、しっかりと事前に意思統一をして、家族が応援してくれる体制を作りましょう。
【渋谷区 世田谷区】不動産の売却・買取・査定なら、笹塚・日立不動産
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/08/06 17:36
良い不動産会社、良い営業マンを見つけることが、満足のいく売却をするためには必要なことです。
ではどうやって見分けていけばよいでしょう?
具体的なポイントを列挙しましょう。
①売却が得意な不動産会社を選ぶ
不動産会社は売主さんか買い主さんどちらか(若しくはどちらも)を担当します。
両方とも仲介であることに変わりはありませんが、求められる能力は全く違います。
その為どれだけ売却実績があるかは分かりやすい指標の一つです。
まずはその会社、担当者がどれだけ売却の実績があるかを確認しましょう。
②何社かの担当者に会って、ヒアリングをして選ぶ
最近の販売実績、過去に高値で売却した事例で、その時の販売戦略や販売方法などを聞きましょう。
また、ご自宅をどんな戦略、販売手法で売ろうと考えているかも尋ねましょう。
これらの質問をはぐらかしたり、世間話に話の流れを変えたりしてきたら、依頼をするのはやめた方が賢明でしょう。
その営業マンには専門的な知識や戦略がない証拠です。
ご自宅の価値を見出し、高く売る方法や具体的販売戦略を提案し実行してくれる営業マンかどうか、見極めましょう。
③営業マンの印象も大切に選ぶ
感じの悪い営業マンはもちろん論外です。
買いたいと訪ねてくる顧客に与える印象も悪いに違いありません。
そんな人を「代理人」に選ぶ必要はありません。
上記3点は当たり前のことです。
只、ご自身の大切な資産を扱う担当者であれば、当たり前のことができていて当然です。
担当者で満足いく売却かどうか決まります。
軽視せず、本当にご自身に合った担当者を見つけてください。
【渋谷区 世田谷区】不動産の売却・買取・査定なら、笹塚・日立不動産
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/08/06 17:33
やはり営業マンの質も重要です。
「不動産は営業マンで選べ」などとよく言われますが、これは半分当たっていて半分間違っています。
「営業マンで選べ」が当てはまらない場合は、新築を購入する場合です。
新築を買う場合、一番大事なのはその物件の価値です。
何を価値とするかは人によってわかりますが、立地・環境・ブランドなど、いずれにせよ、物件重視で選びます。
また、新築の販売センターに行けば、モデルルームや物件完成パースなど豊富なビジュアル情報があります。
パンフレット、図面集なども充実しており、いわば情報面は誰にでも十分に満たされているのです。
さらに、売り手であるデベロッパーの責任下で、売買契約やアフターサービスまでが社内体制として完璧に整えられています。
ですから、営業マンで選ぶ必然性がないともいえます。
一方、中古物件の購入・売却する場合は、営業マンを重視した方がいいでしょう。
営業マンによって購入・売却は大失敗するケースはたくさんあります。
新築と違って、中古の購入・売却の場合、一定の決まったやり方というものがないのです。
売り手、買い手に不動産会社から与えられる情報もまちまちで、すべて「会社によって、担当者によって違う」のです。
そして、売り手や買い手は、会社によってやり方が違うということさえも知らないことがほとんどです。
中古を購入・売却する場合、レインズ上で流通している情報が公平なら、どの不動産会社にでも、仲介の依頼をすることが可能です。
市場に流通している物件情報がオープンなら、購入・売却を委託するのは、どの不動産会社でも担当者でもいいわけです。
誰に依頼することもできるということは、逆に言うと、営業マンのレベルやスキル、そして人間としての資質によって、売主さんの満足度に大きな違いが生まれるということです。
新築を購入するときは、営業マンに流されない。
中古購入・売却するときは、会社の姿勢と営業マンで選ぶ。
覚えておいて損はありません。
売主さんの言う通りに査定価格を上げたり、自社に任せてもらいたいがためにあえて高い査定を言ってくる営業マンには気をつけましょう。
愛想のよさも大事ですが、売却活動を客観的データとともにこまめに報告してくれる、つまりやることをやってくれる営業マンがいい営業マンなのです。
【渋谷区 世田谷区】不動産の売却・買取・査定なら、笹塚・日立不動産
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/08/06 17:29
前回、具体的な売却戦略をご紹介しました。
この戦略を組み立てる要素は、先ほど説明した「3つの価格」だけではないことにお気づきになりましたでしょうか。
そうです。
「売る戦略」とは、設定した「3つの価格」に「スケジュール」を組み込むことです。
「1円でも高く売りたい」。
その気持ちは、売主さんとなる方全員がお持ちの感情です。
けれども、売主さんとして「売れたらいいな」という価格があっても、そこに買主=市場がないのであれば売買は成立しません。
また、いくら考えに考えて査定額を決めても、それはあくまで机上の空論。
「査定は参考。市場に出してみないとわからない」というのが正しいところです。
これは、不動産会社としては非常識な意見かと思います。
「事例を参考にすれば正しい査定になるのではないか」という意見もあるでしょう。
しかしその「成約事例」はどのように出てきたものでしょう。
それは「過去にこの値段で売れた」という「事例の事例」です。
前回ご紹介したAさんとNさんの2人は、過去の成約価格以上の値段で売却されました。
その結果、AさんとNさんのマンションでは、新たにAさん、Nさんの価格が新しい「売れた実績」=「成約事例」となっていくのです。
これは魚釣りに似ています。
魚は毎日同じところにはいません。
天候、気温、潮の流れといったいろいろな要因によって場所を変えます。
「昨日はここで釣れた」と、過去の事例だけを頼りに同じ場所に行っても釣れません。
状況が変化する以上、同じ場所で同じ仕掛けをしても釣れません。
だからこそ、「昨日はこれで釣れた」という情報をもとに、限られた時間の中でそれまでの知識や経験、すなわち「知恵」をもとに、深さや仕掛け、エサを変えながら釣っていくのです。
そして、釣れたら「ここで釣れた」という「新しい事例が誕生」するのです。
自宅を売る時も同じです。
買主さんは同じ場所にはいません。
また、景気や世の中の雰囲気など、状況は常に変化します。
昨日この価格で売れたから、今日もこの価格で売れるとは限らないのです。
だから、3つの価格を、売却するために限られた時間の中でスケジュール設定するのです。
少しでも好条件で売却するには、市場の反応を見ながら値段を調整していくことがきわめて重要なのです。
そして、その市場の反応を見きわめるために必要なのが「3つの価格」と「スケジュール」なのです。
「○○○○万円で△ヶ月売って、買主さんが現れなければ□ヶ月後に××××万円まで値段を下げる」と設定し、市場の需要を探っていくのです。
こういう戦略で売っていくことができれば、いざ売れたときに「もしかしたらもっと高く売れたかもしれない」と後悔は生じないでしょう。
逆に「どんどん値段を下げられたらどうしよう。どこまで下げるのだろう。いつごろ売れるのか」という不安もありません。
つまり、自宅売却の戦略を組み立てるということは、「売りたい価格」から「売ることができる価格」の間で「売れる価格と時間を決めて探っていく」という作業なのです。
【渋谷区 世田谷区】不動産の売却・買取・査定なら、笹塚・日立不動産
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/08/05 16:06
今回は、実際にあった事例を基に自宅売却戦略のご説明をしたいと思います。
①Aさんの場合
Aさんは、新築戸建の購入契約をしていました。
しかし、住宅ローンの条件として今お住まいの自宅を、新しい自宅の引き渡しまでに売却しなければいけません。
期限は4ヶ月しかありません。
売り急いではいましたが、できるだけいい条件で売却したいということでした。
査定をしたところ、Aさんの3つの価格は以下の通りでした。
売ることができる価格= 2400万円
売れる価格= 2600万円
売りたい価格= 3000万円
さすがに私は3000万円の売り出し価格は厳しいと思いましたが、Aさんの強い希望もありましたので、次の通り戦略を立てました。
1ヵ月目…値引き交渉も想定し、3080万円で売却開始
2ヶ月目前半…2790万円に下げる
3ヶ月目前半…2680万円に下げる
3ヶ月目後半…2480万円に下げる
こういう戦略を立てました。
そして売り出した結果、2790万円のときに成約となりました。
結果的には過去の成約事例と比べ好条件での売却となり成功しました。
②Nさんの場合
Nさんは特に売り急いでいることもなく、時間がかかってもいいので高く売りたいということでした。
ただし古い物件だったので、査定は厳しい数字をつけました。
売ることができる価格= 1400万円
売れる価格= 1500万円
売りたい価格= 1800万円
Nさんの本音としては、査定で算出した1500万円で売れれば大満足ということでした。
しかし急いでいないので、できるだけ高く売りたいというご希望を尊重した戦略を立てました。
1~2ヶ月目…1890万円で売却開始
3ヶ月目…1790万円に下げる
5ヶ月目…1680万円に下げる
6ヶ月目…1580万円に下げる
また、1400万円台まで下げるのであれば、「売ることをやめる」ということにしました。
結果は売却開始1週間で出ました。
買主さんが現れたのです。
1890万円の売却価格に対し、かなり厳しい1500万円という購入申込書でした。
通常の住宅の場合、ここまで価格に開きのある購入申込書を受け取ることはありません。
しかし私は、この購入申込書を持ってNさんと相談しました。
もともと戦略をちゃんと立てていたNさんにしてみれば1500万円が売却の目標額でした。
その結果、交渉の末、1680万円で売却することができたのです。
Nさんにとっては1割以上高い好条件での売却となりました。
なお、後日Nさんが教えてくれた話があります。
この物件、実は私以外に数社の不動産会社に査定を依頼していたそうです。
しかし他社の査定の最高額は1470万円でした。
過去の事例に固執し、売れる値段だけを考えた査定をしたのでしょう。
戦略的に売ることはそれだけ大事なのです。
【渋谷区 世田谷区】不動産の売却・買取・査定なら、日立不動産
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/08/05 16:02
査定書をたたき台に、不動産会社と相談をしながらご自宅を売りに出す価格を決めていきます。
その際、「売ることができる価格」「売れる価格」「売りたい価格」の3つを考えてください。
①売ることができる価格
ここまで下げれば、すぐ買い手がつくであろう価格を指します。
また、最低限これ以上でなければ売る意味がない、価格の下限値です。
例えば、住宅ローンの残高が2000万円で、その他仲介手数料等の諸費用が80万円とすれば、合計2080万円以上で売れなければ費用の持ち出しになります。
負担できる自己資金の限度額50万円とすれば、「2080万円−50万円」で、2030万円が売ることができる価格の最低ラインとなります。
②売れる価格
不動産会社の査定額を指します。
売りに出し、実際に買主さんと成約できるであろう価格のことです。
③売りたい価格
売主さんとして希望する売却価格のことです。
価格の根拠は、ひとまず置いておきます。
この3つについて不動産会社と相談しましょう。
たいていの場合、この3つの価格は「売ることができる価格」が1番低く、「売れる価格」が中間、「売りたい価格」が1番高くなります。
例えば、住宅ローンの残高や仲介手数料などの諸費用を計算してみると、最低2200万円で売る必要がある場合で、不動産会社の査定額は2400万円。
売主さん自身が、これくらいで売れて欲しいと思っている金額が2600万円とします。
すると、3つの価格は以下のようになります。
売ることができる価格= 2200万円
売れる価格= 2400万円
売りたい価格= 2600万円
このように3つの価格を設定します。
なぜ、このように3つの価格を考えなければいけないのでしょうか。
それは、自宅を売却していく「戦略」を考えるためにきわめて重要だからです。
もし、売り急がなくてはならない状況に置かれている場合は、「売りたい価格」から売る時間はないはずです。
とりあえず、今すぐ「売れる価格」で売りに出すべきで、早急に買主さんを見つける必要があります。
逆に、資金的な余裕もあり売り急いでいない場合は、時間がかかっても高く売りたいということであれば「売りたい価格」でじっくり勝負して、いいご縁を待つこともできます。
しかしほとんどの売主さんは、「できるだけいい条件で売りたい。でも早く売れるほうがいい」と考えます。
査定を持ってきた不動産会社は、「この査定額で売りましょう」というでしょう。
でも、もし不動産会社のいう価格で売ってしまった後、「あぁ、もうちょっと高く売れたかも」と後悔したくはないものです。
では、どのようにして売り出し価格を決めればいいのでしょうか。
答えは簡単です。
3つの価格をもとに「売る戦略」を考えればいいのです。
次項で「売る戦略」について、AさんとNさんの事例でご説明しましょう。
【渋谷区 世田谷区】不動産の売却・買取・査定なら、日立不動産
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/08/05 15:50
売りに出す自宅の価格は、どのように決められるのでしょうか。
それは、不動産会社が持ってきた査定を参考にしながら、売主さんと不動産会社が相談しながら決めていきます。
そこで、まず不動産会社の査定方法についてご説明しておきましょう。
現在、主に使われている査定方法は以前ご説明した「取引事例法」といわれるものです。
近隣の似たような物件の過去の成約事例・売出物件をもとに査定価格を算出します。
不動産会社は査定を頼まれると、まず査定対象の自宅と同じような物件が過去に売り出されていないか、成約していないかを調査します。
その価格を参考に、査定対象物件の価格を決めていくのです。
この場合、「同じ条件で、過去にこれくらいの価格で売れたので、売主さんの自宅はこれくらいですね」という説明になります。
使い方によっては精度の高い査定ができる取引事例法ですが、弱点が2つあります。
1つ目の弱点は「事例の数と事例の成約時期」です。
つまり、たくさんの事例がある物件ではあれば精度の高い査定ができますが、たった1つだけしかない場合、その事例による査定の精度は低くなります。
もちろん、事例が多ければ成約価格の平均を出してみることで、より精度の高い査定が可能となります。
但し、事例の成約時期が直近であればいいのですが、3年前、5年前となれば、不動産市場の動向も変わっており、あまり参考にならないでしょう。
2つ目の弱点は「売主さんの背景がわからない」ということです。
「なぜ、過去の売主さんは自宅を売ったのか」については、データベースに記録されません。
しかし、この売主さんの背景は価格を決める際にきわめて重要です。
お金に困っていて今すぐ売りたい売主さんだった場合は、値段を下げてでも早く売りたいため、市場価格で勝負せずに少しでも早く売れるように売り出し価格を下げます。
このため、事例価格は市場価格より安い可能性が高いでしょう。
逆に余裕がある売主さんの場合は、気長に少し高めの値段から売りに出します。
そして、いいご縁があればいい値段で売れます。
このため、事例価格は少し高めとなります。
このように価格には、「売主さんの背景」が大きく影響するのです。
また、当たり前ですが、不動産売買は売主さんと買主さんがあって成立するものです。
そして、そこに市場が形成されます。
ですから、いくら精度の高い事例を参考にしても「売り出すまでわからない」というのが本当のところです。
しかし、それでは値段の考えようがありません。
だから事例を参考にして、たたき台を作るのです。
よく売主さんの中に「同じ条件であの家はこれくらいで売れたから、私の部屋もこれぐらいで売れるだろう」と決めつける方もいらっしゃいますが、それは非常に危険です。
それはあくまで「事例」であり、売主さんの背景まではわからないからです。
また、住宅ローン残高によっては「これ以上の価格で売らなければいけない」ということもあるでしょう。
過去の事例を参考にしながら、売主さんの置かれた状況、お金の問題、そして売主さんの売りたい値段などを総合的に考えて、査定の値段を決めていくのです。
それでは、不動産会社が提示する「査定額」をどのように参考にし、どう売り出し価格を決めていけばいいのでしょうか。
次回は売り出し価格を決めるための「3つの価格」をご説明します。
【渋谷区 世田谷区】不動産の売却・買取・査定なら、日立不動産
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/05/28 17:20
インターネットで売り物件を調べることができなかったころは、「同じ物件の他の階で200万円安い物件がある」などということはわかりませんでしたが、今は簡単に調べられます。
ご自宅と同じマンション内や同じエリアで、A物件が2500万円、B物件が2700万円で出ているとしましょう。
この場合、たいていの買い手は片方だけ見て決めないはずです。
両方見て、じっくり比べて考えるわけです。
こんな状況で、ご自宅の査定額がいくらであっても、あまり意味がないと思いませんでしょうか?
2500万円から2700万円の間か、そのちょっと上か下か、査定額が高い低いよりも、実際にいくらで売りに出すべきかの方が、よほど重要です。
そして、やや極端な言い方になりますが、売る側自分で値段を決めるしかありません。
不動産会社に査定価格を高くできないか相談するより、いくらで売りに出すかの意見を聞きましょう。
そして自ら判断するのです。
査定はあくまでも参考値です。
早く決めたい(早くお金が欲しい)という場合なら、2700万円という査定額でも2500万円で売りに出すでしょう。
早く決めなくていいのであれば「2ヶ月経っても売れなかったら2500万円に下げる」などと決めて、ある程度心の余裕を持って売りに出せばいいのです。
上記でご説明の通り、査定価格は参考値です。
皆様査定価格に目が行きがちですが、大事なのは、売出価格の決定よりも、価格を下げるときなのです。
そして、やれることをやり尽くしていないのに値段を下げようとする不動産会社も、たくさんあります。
「チラシもまきました、ウェブサイトにも小さなサイトまで網羅して載せました。でも、どうしても売れません。だから下げませんか」と、やることやって初めて値段を下げるべきなのです。
先の専属専任媒介をした場合は1週間に1回、専任媒介契約は2週間に1回、不動産会社からレポートが来ることになります。
それを見れば、やることをやっているのかいないのかわかります。
やるべきことを全然やっていないのに、「だめです。そろそろ価格をこのくらい下げませんか」と、とにかく下げることばかり言ってくる会社であれば、媒介契約の解消を検討するのも一つの手です。
【渋谷区 世田谷区】不動産の売却・買取・査定なら、日立不動産
カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2024/05/28 17:16
ここで少しレインズについてお話します。
レインズでは、過去に成約した事例と、現在売り出されている事例の2つを見ることができます。
成約事例では、実際に成約した年月日まで出ています。
その為、「ここ1年でこういう事例がある」ということは、だいたいわかります。
現在売りに出されている事例では、今、周辺で売られている物件の売出価格がわかります。
その為、今現在の市場観をつかむことができます。
この2つを参考にして査定価格をつけているわけですが、一般的には過去の成約事例のほうを見る会社が多いです。
「1年前、同じような部屋が4000万円で売れている。それから1年経っているから、3800万円ぐらいだろう」というような判断です(これを時点修正といいます)。
実際に、あるマンションで不動産会社10社に依頼した査定価格の差が500万円以上あったこともあります。
このマンションは総戸数200戸超で築年数も10年ほど経過し、多数の成約事例・売り出し事例があったにもかかわらずです。
このことからも、実際の査定方法は会社や担当者で異なり、各社で査定価格算出の根拠に違いがあることがわかります。
一般的に、マンション売却の査定価格は、一戸建てや土地の査定とは異なり、価格に差が出にくいと言われています。
特に、大規模なマンションでは自宅と同じタイプが多数あり、同じタイプで成約や売り出しの事例があれば、各社がその事例を参考に査定するからです。
その為、本来、売りたいお客さんにデータを知らせて、「過去にこの値段で売れており、現在似たような物件がこのくらいで売り出されています。だいたいこの査定価格になります」と情報を共有しながら、一緒に考えればいいのです。
成約・売り出し中の事例はすべて、お客さんに知って頂くのが理想です。
しかし、レインズと言うデータベースがあることを知っているお客さんが「成約・売り出し中の事例をもっと教えてください」と言っても、抵抗を示す不動産会社は少なくないです。
お客さんが知らない情報を持っていることが、不動産会社の財産だからです。
データを完全に開示してしまうと、お客さんにとって不動産会社を頼る「価値」が下がってしまうのです。
しかし、「情報化社会」の到来で、どの業態でも、顧客との情報ギャップがなくなってきています。
これまでの不動産業界では、「物件情報」を提供することが、お客さんにとっての価値でした。
インターネットがなかった時代では、お客さんの物件を知るためには、不動産会社に頼るしかなかったのです。
いまでは、インターネットで物件を簡単に検索できますから、そもそも、情報提供ということに価値がなくなっているのです。
不動産会社の実力が本当に試される時代になったとも言えます。
物件情報そのものではなく、提供するサービスの質で価値を提供していく、そんな変化を迫られているのです。
物件査定に関する不動産会社の対応を見ることで、その会社が何で勝負をしているのかを見極めることもできるのです。
物件情報(売り出しや成約の事例)を出し惜しみする会社は、疑ってかかりましょう。
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